タクシー運転手に「とにかく急いで!」結果、スピード違反で捕まった…法的責任は誰に?
“最高速度を超えない範囲で急いでほしい”というつもりで、運転手にこのような指示をすることが考えられるからです。
これに対し、ストレートに「スピード違反をしろ」と指示した場合や、「無謀な運転をしろ」と命令した場合など、運転手が速度違反を犯すことについて積極的な立場を取っていた場合には、「教唆犯」として乗客も処罰を受ける可能性があります。
Q.乗客はタクシー運賃を支払う義務はある?
A.捕まった場所が目的地でない場合、支払い義務は発生しない。
まず、乗客がタクシーに乗り込み、行き先を告げて運転手が了承した段階で、タクシー会社と乗客との間で、「旅客運送契約」という契約が成立していると考えられます。この「旅客運送契約」の内容は、「乗客が指定した場所まで運転手が乗客を安全に運び、それに対する運賃を乗客が支払う」という内容であると考えられます。
そうすると、タクシーが途中で事故に遭ったり、運転手が警察に逮捕されたりした場合、タクシー会社は「乗客を指定された場所まで運ぶ」という債務の本旨に従った履行をしていないことになります。よって、今回のようにスピード違反で捕まり、乗客の指定場所まで運べなかったケースでは、乗客は運賃を支払う義務がなくなると考えられます。