ガスボンベが線路上に置かれ電車と衝突…思わぬ大罪になる可能性も!
と思ったあなた。ちょっと待ってください。この、列車往来危険罪、法定刑は、「2年以上の有期懲役」です。かなり重い罪なのです。
これと同じ法定刑を定めた罪を探してみると、非現住建造物等放火(刑法第109条1項)がありました。
これは人が住んでいない家を放火した場合を罰する罪です。人が住んでいないとはいえ、延焼等により人の命や周囲の建物など貴重な財産が失われるおそれのある重い罪です。列車往来危険罪は、これと同等に重い罪なのです。
■死者が出たら法定刑は死刑か無期懲役のみ
しかも、例えば冒頭の事件のようにガスボンベを置いてこれが爆発し、実際に列車が転覆してしまったという場合、さらに重い刑が科されるのです。死者が出なかったとしても、「無期又は三年以上の懲役」、万一、死者が出てしまった場合、「死刑又は無期懲役」という非常に重い刑に処せられるのです。
■殺人罪・殺人未遂罪との違いは?
「そんな危ないことして、殺人未遂罪じゃないのか?」と思われたあなた。なかなか鋭い指摘です。殺人罪は、「故意」に(わざと)人を殺した場合に適用される罪です。
殺人未遂罪は、故意に人を殺そうとしたけど死に至らなかった場合です。