念書の法的効力はある?バンジージャンプで死亡したら責任はどこへ?
もっとも、形式上は犯罪の要件に該当する場合であっても、有効な「被害者の同意(承諾)」があれば、行為の違法性が阻却されて犯罪は成立しないとされています。
そのため、自分は怪我をしても構わないということを承知で参加し、事故で怪我を負った場合には、行為の違法性は阻却されて運営者には犯罪が成立しないことになります。
ただし、同意が有効になるためには、運営者が、参加者から念書を提出してもらうだけではなく、参加者に対して、事前に当該レジャーの危険性や事故が起こった場合の怪我の程度等について十分に説明義務を尽くしていることが前提です。
一方で、生命を放棄するような同意は許されないので、仮に、自分は死んでも構わないことを承知でレジャーに参加し、結果、死亡してしまった場合には、そのような同意は無効なので、被害者の同意の法理では違法性は阻却されません。
もっとも、被害者の同意が無効であったとしても、当該レジャーの危険性について社会に広く認識されているような場合には、社会的相当性の観点から違法性が阻却される余地があります。
■損害賠償責任はどうなる?
次に、民事上の責任ですが、運営者は、不法行為(民法709条)