【幻冬舎/著者インタビュー】『死肪肝』みなと芝クリニック 院長 川本徹氏のインタビュー公開!
人間ドックの場合にはエコー検査が追加されるのですが、数値の上では問題がない場合でも、画像でみると脂肪がうっすらと肝臓に溜まっていたりします。30代ぐらいの若い世代の人にも多く、意外に思ったのが最初のきっかけです。
――検査の数値だけではわからない場合もあるのですね。
ごく初期の段階では数値にもほとんど異常は出ないため、「症状のない肝臓病」というのが実体です。肝臓はよく「沈黙の臓器」とよばれますが、自覚症状が出た段階ではかなり進行しているという場合も多いのです。40年ほど前、私が医者になったばかりの頃、脂肪肝とは肥満気味でお酒を飲む人に起こるものだととらえられていました。当時はそれほど重要視されておらず、指導としても「ちょっとダイエットしなさい」という程度でした。
でも現在では脂肪肝がさまざまな生活習慣病のリスク要因になることがわかってきています。
しかしながら健診でいくら危険性を指摘しても、患者さん側はなかなか危機感をもってもらえません。早期には自覚症状がないので無理もないのですが、やはり医師の側から伝えていく必要があると感じました。ですから著書もその手立てのひとつになればと思っています。