2023年7月5日 22:30
ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』開幕!
NYウエストサイドの古びたビルがリアルで、バルコニーを飛び降りて帰ろうとするトニーが、何度もマリアに呼ばれて戻ってくるところにはキュンキュンさせられること請け合い。恋すると誰もがこうなるよね・・・としみじみ。背景にはNYの街並みが広がり、この一曲ですっかりこの世界観に没入してしまった。
「America」では故郷プエルトリコより今住んでいるアメリカが一番!と、シャークス(プエルトリカン系)の女性たちがパワフルに歌い踊る。その華やかさといったら!6名の女性はオレンジとピンクのビビッドな色のドレスを着ており、とても洗練されていて美しい。それに合わせたのか、空の色もオレンジピンク。大きな広告の看板が掲げられているのが印象的だが、これは裕福な白人に向けた広告で当時の移民たちには手の届かないものだったとか。格差社会を暗喩した、このプロダクションならでは演出が効いている。
そしてこの作品を象徴する「COOL」。ジェッツ(ポーランド系)はリーダーを殺され、今にも暴走する寸前。そんな少年たちを、頭を冷やせとなだめるナンバーだ。不穏なメロディーに乗せて、指を鳴らす、バーンと銃を打つ仕草など、一発触発の危険さをバレエを生かしたダンスで表現しているのがたまらない。