2021年12月28日 18:30
吉田 良 著『日本列島修復論 令和パトリズム宣言』が提案する“人間復権 ” の新しい時代
が政府から国民へ「してあげる」内容の列挙であったのに対し、「修復論」は国民による実践、つまり「すること」を不可欠な要素と捉える点だ。
また「パトリズム」は造語である。パトリズムの語源patria は、ラテン語で「祖国、故郷」を意味する。新しい言葉に込められた思いと、既成語のパトリオティズムを用いなかった理由は、第一章で説明する。(略)…
本書「あとがき」でも郷土や人間を大切にすることについて述べている。
…(略)本書は誰かに依頼されて書いたものではない。自分の意思でゼロから書き始めたものだ。本書を書くことを決めたきっかけは、令和2年9月の安倍晋三総理大臣の辞任である。
(中略)
最初の構想は郷土愛、パトリオティズムを定義することであった。第二次安倍内閣以降、急角度で右旋回する自民党に対抗できる、古くて新しい政治思想を示すことが狙いであった。今後も政権を担い続けるのであれば、自民党に郷土や人間を大切にする政治を取り戻してほしかった。
ところが事態はより深刻であった。あからさまに特定の国の国民や民族を攻撃する排外的な運動や、政府は財政赤字を拡大しても債務不履行になることはないというばくちのような言説が、インターネットを媒介し拡大している。