六本木アートナイト2024にて巨大ミューラルを描いた 辰巳寧々個展「Seal Me on Your Heart」11月22日よりMEDEL GALLERY SHUにて開催!
「華麗なるギャッツビー」において、フィッツジェラルドも物質主義と愛を描いている。デイジーに人生の全てをかけるギャッツビーの生き方は、人生の真の「価値」について考えさせる。結局、ギャッツビーにとって富とはデイジーとの愛を得、彼女を惹きつけるための手段でしかなかった。
しかし、結局彼は富によって彼女を結ばれることはできない。
日常の外側で起きる破滅的なニュースがあたかも他世界の出来事であるかのように、私達は生活をどのように彩るか、自分の価値をどう高めるか、「楽園」に住むことに夢中になる。
まるでデイジーの殺人の責めに殉じたギャッツビーの死が忘れられ、デイジーが新しい人生を歩んでいくように。
しかし、例えばギャッツビーやレ・ミゼラブルが名作として何度も鑑賞されるように、私達は眠っている感情に気付いており、時にその目に見えない価値を求める気持ちがあるのではないだろうか。
私の作品は日常的なシーンに「過剰な」表現を混ぜつつ、絵画としてあたかもそのまま現実の光景を描いたかのように描くことで、葛藤する現代人の精神的な姿をよりリアルに残すこと目指している。
また、薄い紙に描くことで、デジタルや移り変わる漫画のコマ、フィルムに慣れた我々の世界の捉え方を表現したいと思っている。