六本木アートナイト2024にて巨大ミューラルを描いた 辰巳寧々個展「Seal Me on Your Heart」11月22日よりMEDEL GALLERY SHUにて開催!
SNS上で我々は他人の人生の場面、言葉、映像をどんどんスライドして見ていき、すぐにその多くを忘れてしまう。
オスカー・ワイルドが強調するのは目に見えない、「愛」というものの価値である。
自分自身の全ての宝石を困窮する人々に捧げ、最後は心臓が鉛となって割れる「幸福の王子」。王子を愛し宝石を運んだために死ぬ燕。彼らにとっては、物質的幸福よりも愛が何よりも優れた価値であった。
王子は燕にこう話す。「皆はわたしを幸福な王子様と呼んでいたが、確かにわたしは幸福だった、もし快楽が幸福であるならね。そしてわたしが死ぬと、皆がわたしをこんな高いところに据えたので、この街の醜さや惨めさが、わたしにもよく見えるようになった。
わたしの心は鉛で作られているのに、あれを見ると泣かずにはいられないのだよ」
オスカー・ワイルド「幸福の王子」
物質主義的な価値観が蔓延しているように見える現代において、私たちが真に見出す「幸福」とは何だろうか。鑑賞者それぞれのの受け止め方によって、また、作品における人物や様々なモチーフを通して、私自身も立ち止まって、その意味を探りたい。
辰巳寧々
今年の六本木アートナイトにて、37mのミューラルを制作した、注目の作家です。