能・狂言ならではの演出の多様な姿を楽しむ 国立能楽堂『12月定例公演 成上り・海人』上演決定 カンフェティで限定割引チケット発売
は、わが子のために命を賭した母(シテ)と、その母の亡き跡を探し求めて志度浦までやってきた子(子方)の、親子の情愛の物語です。今回シテ(主役)を勤めるのはシテ方金剛流の廣田幸稔氏。そして、子方(子役)を勤めるのは孫の廣田明幸さんです。今回の小書「変成男子」は、金剛流にのみ伝わる、上演の稀な、特に大切に扱われるものです。また、明幸さんはこの曲を以て子方を卒業するとのこと。貴重な節目の機会のご出演に、「海人」の見どころや意気込みなどについて、おふたりがそれぞれコメントを寄せてくださいました。
廣田幸稔さんよりコメント
―「海人 変成男子」の見どころを教えてください。
「海人」という曲はまず前半、〈玉之段〉*というところが見せ場です。
ここは型でも謡でも楽しんでいただけるところです。またそれ以外の、特別な型がないような部分でも、佇まいで「ああ、お母さんは我が子のために命を賭けたんだ」と母の思いを感じてもらいたい、感じてもらうように演じたいところです。―「変成男子」の小書でなさるのは初めてと伺っています。
私は初めてです。流儀では重い、大切な小書ですね。難しいのが、後半にああいう白頭の恰好(上記写真参照)