藤井直樹、単独初主演舞台に手応え 舞台『甘美なる誘拐』が開幕!
と悠人(和田琢磨)が、ひょんなことから死体を見つけたのをきっかけに大きく動き出していく。各地のヤクザたち、地上げ屋の被害に遭っている自動車部品店、宗教団体・ニルヴァーナの物語が交錯しながら進行するミステリーに惹きつけられる。
藤井と和田は、冷静で頭の回転も早い真二、明るくノリの軽い悠人という凸凹コンビを魅力的に演じる。緊迫したシーンも二人の息のあった掛け合いで面白く見せ、ヤクザながら愛嬌たっぷりなキャラクターを作り上げていた。一見、真二が悠人を利用しているかと思いきや、なんだかんだ仲が良くバランスの取れたコンビ感が可愛らしい。
二人の兄貴分である荒木田(馬場良馬)の悪徳ヤクザっぷりとテンションが高くユーモラスな芝居、硬派な石村(波岡一喜)の渋さと徐々に見えてくる一面のギャップ、チンピラ・堀田(内博貴)が見せるコミカルでチャーミングな表情。憎みきれないメンバーの悪巧みが成功するかどうか、ワクワクしながら見守ってしまう。
物語の中心となるヤクザたちだけでなく、自動車部品店の親子、宗教団体・ニルヴァーナの面々も個性的なキャラクター揃いだ。
廃業に追い込まれかけている植草親子は、少し頼りない父(岩崎う大)