市川團十郎、恒例の1月新橋演舞場公演 『裏表忠臣蔵』で大星由良之助 「昨今の日本の中で報われる忠実な男を作り上げたい」
『裏表忠臣蔵』で大星由良之助役を務める市川團十郎 (C)ORICON NewS inc.
歌舞伎俳優の市川團十郎が21日、都内で2024年1月新橋演舞場公演『双仮名手本三升 裏表忠臣蔵』の取材会に登壇した。
團十郎は、14年から毎年、新橋演舞場の1月公演に出演し、今回でお正月公演への出演は15回目となる。外題となっている『裏表忠臣蔵』は、七世團十郎が『仮名手本忠臣蔵』の全十一段を「表」とし、一段一段それぞれに創作場面をつけ「裏」として、全二十二幕で天保4年(1833年)に初演した作品で、その後八世團十郎、九世團十郎へと代々受け継がれた。今回は『仮名手本忠臣蔵』を表、現代に合う新たな形で練り上げられる場面を裏として、忠臣蔵の世界にさまざまな方向から光をあて、現代の観客に古典歌舞伎の名作をより楽しんでもらえるような新たな『裏表忠臣蔵』を作り上げる。
取材会で團十郎は「私が子どものころの歌舞伎界の『忠臣蔵』は最も重たい通し狂言と言っても過言ではない。そして『忠臣蔵』は、どんな時でもお客さんが入るっていうのが歌舞伎の中での暗黙の了解だったんですけども、やはり近年、『忠臣蔵』をやってもお客さんが入らない月が出ている。