霜降り明星せいや、高校の新学期「1軍に入らないと…」焦りが生んだしくじり
「やってしまった」。そう思ったときには遅かった。あれだけヘマをしないように、一歩目を慎重に考えていたのに、いきなり大きく踏み外してしまった。
悪気はないが、子どもたちは時に残酷だ。そんな数秒の出来事で、みんなからの視線が豹変した気がした。
次の日には、コソコソと自分が笑われている気がした。性格的に笑ってもらうことはずっと好きだったが、こういう嘲笑的な辱めを受けるのは人生で初めてだったので、顔が思わず引きつってしまった。今度はそれが気になってしまい、周りと話したくなくなる。
「違う。こんなに暗くない。俺はみんなが思っているような、つまらない人間でも、とっつきにくい人間でもないんだ」
もちろんそんな心の叫びは誰にも届かない。白いカッターシャツに染みついたカレーのように、15歳の彼ら彼女らのまっさらな心にこびりついた“変な人”という印象は、何度洗っても取れなくなってしまった。学校という場所におけるいじめは、こんな些細なことで始まるのだ。
しかもいじめは複雑で、誰もがうっすら気づいている「なんとなくの空気」、これこそがいじめの正体だ。この空気こそが子どもたちをいじめへと突き動かす正体である。