霜降り明星せいや、“スベッた罰ゲーム”人生で初めて受けた暴力 高校時代の壮絶な経験明かす
しかしイシカワはすぐにはその輪には入らない。何人かやったあとのほうが、空気があったまっているからだ。ふだんはイシカワをいじめているヤツらが、今日ははからずもイシカワのために前説をしているわけだ。準備は整った。そしてタイミングをみはからいグループの近くに飛び込んだ。
すると一瞬、空気が止まったが、リーダー格の黒川という男子は「変人くんのギャグを見ようぜ、みんな」とハードルを上げてきた。
「よし、来た!」
困った顔をして「やってみる」と口では言ったが、内心では「やっと中学のときのような、明るい自分を少し出せる。俺にはターザンギャグがある。
こいつらは俺が昨夜、ギャグをあっためていたことを知らない」と思っていた。
そして力を振り絞り起死回生の一発ギャグをやった――しかしその結果、まさかの静寂に包まれた。ただ、それは至極当然で、全員、「イシカワで笑おう」なんていう気はいっさいなかったのだ。
「じゃあ、スベッたから罰ゲームな」と言われると、イシカワは肩を順番に思いっきり殴られた。人生で初めて受ける暴力で、つい顔が泣きそうになった。しかし無理やり引きつった笑顔を作った。ここで笑ったら仲間っぽくなれるかもしれない。