フランス生まれの、甘い宝石。300年以上前から変わらない味を届け続ける、手作りキャンディ
旅の道連れに欠かせない、ちょっとした“おやつ”。小学生の遠足ならあれもこれもと欲張ったものだが、今は荷物にならない厳選したものを少しだけ。車の運転中や歩いている時にさくっと食べられる、そういうお菓子がちょうどいい。
「よかったら、これどうぞ」と差し出した時に可愛いパッケージでまず盛り上がる、モレの修道院の『Sucre d’orge (シュクル・ドルジュ)』は、大麦のキャンディ。美しいパッケージもさることながら、その優しい甘みはフランス人に長く愛され続ける伝統の味で、なんとその歴史は300年以上前に遡る。
フランス、パリから車で1時間ほどで着くモレ・シュール・ロワン。1638年、この小さな町にあるモレの修道院で『Sucre d’orge 』は誕生した。修道女たちが作ったキャンディは、大麦の自然の甘さが魅力。
ルイ14世もお気に入りだったという逸品は、フランス革命で一時製造中止になる危機も。しかしレシピを知る修道女が亡くなる前に、信頼のおける友人に秘伝のレシピを打ち明けたことでキャンディー作りは大事に引き継がれ、1900年代初頭には、教会前の一角での販売が始まったそう。今ではフランスの国民的なお菓子のひとつとなったが、当時と変わらない製法で全て手作りを貫く。