くらし情報『「これは野球映画ではない」、『マネーボール』監督がそう語る真意とは』

2011年11月7日 18:30

「これは野球映画ではない」、『マネーボール』監督がそう語る真意とは

「この映画では、様々な“価値観”について問いかけている。過大評価もしくは過小評価された野球選手の価値、そして収入や家族との暮らしなどの人生における価値。あの楽器店の場面は、ビーンの胸の内に迫り、彼にとって人生の大切なものは何かを探るシーンなんだ」

ハリウッドの野球映画には、きらびやかな光や色彩に満ちた映像、興奮を煽る勇ましい音楽が付きものだが、本作はまったく違う。人生と格闘する主人公の情熱や孤独を繊細なタッチであぶり出し、野心的なまでに陰影豊かな作品になった。この問いを受けて「ある意味、これは野球映画ではない」と切り出した監督は、静かに、きっぱりと次のように続けた。「これは体制に立ち向かい、既存の価値観を覆そうとした男の物語。だからこそ従来とは異なるアプローチがふさわしいと考え、この手の野球映画、スポーツ映画にありがちな要素を排除することにしたんだ」

そして我ら日本人の誇りたるイチローについて。ビーンが空港で野球中継に見入る何気ないシーンで、そのモニターにイチローの姿が映るのだ。
これは決して日本の観客向けのサービスショットではない。「中継カメラがアップで捉えたイチローとそれを見つめるビーンの図は、まるで西部劇の決闘みたいだよね。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.