くらし情報『『あなたへ』監督が映画について、高倉健について語る』

2012年8月28日 11:03

『あなたへ』監督が映画について、高倉健について語る

「これまでの健さんとの映画では、主人公はいろんなしがらみをあえて自分から背負うようなところがあったんです。それが今回は奥さんの手紙に導かれて、しがらみから解放されていく男の姿が浮かんできました。『あぁ、年を取るというのはそういうことなんじゃないか』という思いがありました」と温和な笑みを浮かべて20作目にしての変化を明かす。

高倉の妻を演じたのは、降旗監督の『ホタル』でも高倉と夫婦を演じた田中裕子。高倉の田中に対する口調が、本作ではどこか甘えるような響きなのが印象的だ。「2人が一緒になる時点で、英二(高倉)は奥さんに引きずらてるんですね。奥さんが先を歩き、夫がついていくという夫婦像を健さんが考えて表現してくれたんでしょうね」と嬉しそうに語る監督の目にはまさしくアイドルに対する憧憬が宿っている。

「この年になると撮りながら1本1本、これが最後かもしれないという思いがある」と言いつつも、まだ炎は消えていない。
「健さんはまだまだ自分は頑張れると思ってらっしゃるはずです。あれだけ真っ直ぐに立っている、後ろ姿のキリっとした81歳はいないでしょう。アイドルは不滅ですから(笑)、ぜひ機会があればまたアイドル映画を撮りたいです」。

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