脚本家を志すケンジは心を病んだ恋人と同居し、彼自身もまた社会への鬱屈した思いを抱えて生きている。そんな彼がさらにもう一人、“負”を背負った丑刻の女と対峙し、何とも言葉にできない感情に飲みこまれていく。「心情の表現はとにかく難しかったです。特に最後に丑刻の女の顔を初めてちゃんと見るシーンは、鬱屈したケンジだからこそ、一瞬、共鳴するような感情もあり、それは考えて出すのではなく、現場に立って彼女を見ながら出すしかなかった。恋人の美穂との関係も普通の彼氏彼女の関係ではなくて、病んでいる者同士で互いに気を遣い、そこにイラついたりししながらそれでも一緒にいる理由がある。演じるというよりも、自分を洗脳しながら役に入り込んでいく感じでした(笑)」。
主演を務め「責任感やどこまで自分を追い込み、いかに深く入り込めるかなど、この立場だからこそ経験できたことがたくさんあった」と充実した表情を見せる。同時に感じたのが「劇団EXILE」および「EXIE TRIBE」という存在の大切さ。
「劇団EXILEにいるからこそ、自分の個性やストロングポイントを探そうともするし、刺激ももらえる。外に出ることで、この経験を劇団EXILEでも活かそうと思った。