くらし情報『映画『白鯨との闘い』のこだわりとは?』

2015年12月4日 12:46

映画『白鯨との闘い』のこだわりとは?

その結果、大西洋のカナリア諸島の海がロケ地に選ばれたが、自然を相手にしているため、天候の変更や波の加減はコントロールすることが不可能で、キャストやクルーはたえず海の揺れと吹きつける風や雨と闘うことになった。1度、海に出てしまえば9~10時間は陸地に戻れない撮影は過酷で、出演者のトム・ホランドは「実際に海に出ての撮影は本当にハードだったよ。全員がどこかのタイミングで体調を崩していた。みんな辛くて、酔い止めの薬を飲んでも仕事にならない日もあった」と振り返る。

さらに四方を海に囲まれた状態で、スタッフたちはカメラの設置場所、電源の確保、照明の設置場所、カメラがまわっているときのスタッフたちの居場所も含め、多くの難題を抱えることになったはずだ。しかしハワード監督は「本当の環境で撮影されたものには、自然な流れがあるし、大きなエネルギーがある。非常に辛い撮影になるから演じている人達には申し訳ないと思うけれどね」と語る。

映画『白鯨との闘い』で登場人物たちの苦悶に満ちた表情は本当に海の上で苦しむ者たちの顔で、船から見える美しい水平線は本当にこの世界に存在する光景だ。
ハワード監督とキャスト・スタッフたちの“覚悟”はカメラを通してしっかりと記録されており、完成した作品は本年度の映画賞レースを賑わすほどの評価を集めている。

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