この頃になると、初めは様子を見ていた初見のオーディエンスも、サビのフレーズと独特な振り付けに多くの人が度肝を抜かれ、次第に5人の勢いに飲み込まれていく。歓声は一層高まり、サイリウムがより激しく揺れた。
そして、『Chai Maxx』から『行くぜっ!怪盗少女』と怒涛の流れでフィニッシュ。スタジアムの皆を完全に虜にしてやろうという5人の気合いの表明とも取れる攻めのセットリストで、終わってみれば会場を呑み込む圧巻のステージだった。短時間ではあったが、彼女達の魅力と特異性を会場中に知らしめるには充分のパフォーマンスで、ライブ終了直後、近くに居た女性が「凄い…」と呟いていたのが印象的だった。
花火の打ち上げ終了後には、ももクロの5人が再びステージに登場し、東日本大震災の復興への願いを込め、坂本九の『見上げてごらん夜の星を』を会場の皆と歌い花火大会を締め括った。
そんな彼女たちは、今月20日(土)によみうりランドにて行われる単独ライブ「サマーダイブ2011 極楽門からこんにちは」、24日(水)に3枚組ライブDVD『4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事 ~眩しさの中に君がいた~』のリリースが控えるなど、更に加速度を増しつつ、悲願の「紅白出場」という目標に向かって突き進む。単独ライブのチケットは発売中。
取材・文:阿刀大志