「僕にとって楽しい時間」。大沢たかお、渾身の朗読劇に向けて熱く語る
野外の特設ステージにて繰り広げられる大沢たかおの朗読劇、一期一会。斬新でありながら日本の伝統美の香りを強く醸し出す刺激に満ちた舞台が、今年も幕を開けようとしている。昨年の『義経』に続く第2弾として大沢が選んだ演目は、シェイクスピア悲劇の名作『マクベス』だ。
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稽古場では音楽を担当する吉田兄弟を始め、新・純邦楽ユニットWASABI、津軽三味線集団 疾風の面々が揃って、中央に立つ大沢に意識を集中させていた。大沢はシーンを細かく区切って進めながら、ところどころで音楽の雰囲気や緩急、踊り手の女性たちの動きなどに明解な指示を与えていく。時に笑いを誘ってなごやかに確認を終えると、瞬時にシーンに入り込み、語り手、マクベス、マクベス夫人…と多役を情熱的に演じ分ける。圧巻の切り替えの早さ、集中力。あえて演出のクレジットは出さないが、これはまさしく大沢たかお構成・演出の舞台なのだと再認識させられた。
「“演出”なんて書かれたらこっぱずかしくて(笑)。基本的には朗読劇ですが、ただ本を読むだけではつまらない。どうしたらお客さんに楽しんでもらえるか。この朗読劇は僕にとって楽しめる時間なんです」。
稽古の後、大沢はこの舞台がいかに自分にとって心躍る挑戦であるかを涼やかに語ってくれた。