今こそ野外へ! “非・劇場”を考える『フェスティバル/トーキョー』、開幕目前
『フェスティバル/トーキョー』(以下F/T)の開幕が目前に迫った。2009年春、2009年秋、2010年秋に続いて4度目の開催となる今回は、9月16日(金)から11月13日(日)の長期にわたり、〈F/T主催作品〉全7演目、アジア全域に募集対象を広げた〈F/T公募プログラム〉全11演目の上演のほか、シンポジウムや劇評コンペなど、舞台表現を多角的に見つめ直す趣向が数多く用意されている。その概略について、相馬千秋F/Tプログラム・ディレクターに話を訊いた。
『フェスティバル/トーキョー』チケット情報
「震災を経て痛感したのは、戦後の発展のために日本が代償にして見て見ぬふりをしてきたものを、もう一度とらえ直す必要があるということ。アーティストの方々ともそのことについて話し合いを重ねました」。結果、掲げられたのが、“私たちは何を語ることができるのか?”というテーマだった。その点で、最初の3演目がいずれも野外劇であることの意味は大きい。「周囲の環境や天候に左右されやすい。
でも、そういう条件さえも味方につけることで、通常では起こり得ない想像力の飛躍が見られることに期待しています」。
オープニングを飾る野外劇『宮澤賢治/夢の島から』は、飴屋法水の構成・演出による『じめん』と、イタリアのロメオ・カステルッチの構成・演出による『わたくしという現象』の2本立て公演で、都立夢の島公園内の多目的コロシアムが会場となる。