言葉に色がつく世界? 藤井隆らが演じる『イロアセル』の稽古場に潜入!
新国立劇場が2011/2012シーズンで打ち出した、〈【美×劇】-滅びゆくものに託した美意識-〉。繁栄するものより滅びゆくものに向く日本人独特の美意識を探究する本シリーズは、『朱雀家の滅亡』を皮切りに先月スタートしたが、続く第2弾『イロアセル』の準備が佳境だ。開幕まで間もない稽古場を見学した。
新国立劇場演劇『イロアセル』チケット情報
『イロアセル』の最大の特色は"色"。舞台となるのは、発する言葉にその人固有の色(黒の5番、というように)を持つ人々が暮らす島だ。彼らがセリフを発するたびに色で包まれる様を、照明や映像を駆使して可視化するという。倉持裕が書き下ろしたSF的とも寓話的とも言える設定が舞台でどう具現化されるのか、大いに興味を抱いていた。稽古場に入ると、天井に地球を模した大きなスクリーンのようなものがある。
これと、舞台奥にある障子のようなセットに、色が映し出される仕組みらしい。ほぼすべてのキャストがハンドバッグのようにぶら下げている"ファムスタ"という架空の機械(色を集めたり調整する機械という設定)が、異彩を放っている。
物語は、島の外から色を持たない囚人と看守がやって来るところから始まる。