くらし情報『「悲劇の続き」を紡ぐ岡本健一、中嶋朋子、浦井健治ら実力派俳優の競演』

「悲劇の続き」を紡ぐ岡本健一、中嶋朋子、浦井健治ら実力派俳優の競演

「悲劇の続き」を紡ぐ岡本健一、中嶋朋子、浦井健治ら実力派俳優の競演
2009年秋、全三部9時間一挙上演の快挙を成し遂げた新国立劇場の『ヘンリー六世』。歴史上繰り返される復讐の連鎖、諍いの悲劇をダイナミックに舞台に立ち上げ、高く評価されたことは記憶に新しい。その続編が『リチャード三世』だ。新国立劇場は、前三部作の主要キャストが同じ役で継続出演する同作の上演を企画した。三部作の終幕、白薔薇ヨーク家と赤薔薇ランカスター家の熾烈な戦争はヨーク家が勝利し、ヨーク公の長男エドワードが即位。末弟グロスター公リチャードが王位を狙って劇中を疾駆し、やがて壮絶な最期を迎えるのが今作だ。9月某日、稽古場を取材した。

新国立劇場『ヘンリー六世』チケット情報

前回に続きリチャードを演じるのは岡本健一。
背や足に生まれつきの障害を持つ、醜い容姿に対する劣等感から、権力を手に入れるべく謀略と殺人を繰り返すリチャード。その暴君ぶりを岡本は、役の裏にある衝動や揺れ、人間的な感情の移ろいで裏づけた緻密かつ大胆な演技で肉づけていく。冒頭、自身が殺したヘンリー六世の皇太子妃・アン(森万紀)を王位への足がかりとして口説く場面では、憎悪に燃えるアンを、獲物を追い込む猟師の力強さと官能的な言葉でねじ伏せる。

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