くらし情報『『こどもの一生』はなぜ当たったのか? 仕掛人・G2が中島らも作品の真髄に迫る』

『こどもの一生』はなぜ当たったのか? 仕掛人・G2が中島らも作品の真髄に迫る

『こどもの一生』はなぜ当たったのか? 仕掛人・G2が中島らも作品の真髄に迫る
作家・中島らもの代表作のひとつに数えられる舞台『こどもの一生』、その14年ぶりの上演が目前に迫った。演出家として作品の誕生に関わり、2度の再演を手がけたG2が、今この芝居とどのように向き合っているのか。稽古場で話を訊いた。

G2演出のもと、関西の演劇ユニット〈売名行為〉が『こどもの一生』を初演したのは、1990年のこと。自らの劇団〈リリパット・アーミー〉では中華時代活劇を得意としていた中島に対し、G2は対極ともいうべき台本を発注する。「今という時代を切り取ったような舞台を書いてほしい。来年には古くなってしまうぐらいの」。確かに、コピーライター、エッセイストとしても腕をふるう中島は、時代の空気への反応が鋭い。
結果、“ストレス”をモチーフにしたきわめて同時代性の強い物語で、中島は演出家のオーダーを鮮やかに打ち返した。「読んで驚きました。普段らもさんと飲んでいるときの話まで、絶妙に盛り込まれていたんです」。

孤島のクリニックを舞台に、心の健康を回復するため、精神年齢を子供へと戻していく患者たちの様子が、遊びごころたっぷりに描かれる。といって、のんびり観てなどいられない。子供らしい無邪気さが客席に笑いを巻き起こす一方、子供ならではの残酷さが観客を恐怖に突き落とすのだ。

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