芸術監督・飯守泰次郎の任期1年目となる新国立劇場オペラ2014/2015シーズンのオープニング公演『パルジファル』が、10月2日(木)に開幕を迎える。
新国立劇場オペラ『パルジファル』の公演情報
ワーグナー最後のオペラ『パルジファル』は、聖槍と聖杯をめぐる壮大で深淵な物語を、神秘的で荘厳、そして官能的な響きに満ちた音楽が描く。指揮は芸術監督・飯守泰次郎自らが執り、歌手陣には、ジョン・トムリンソン、クリスティアン・フランツ、エヴェリン・ヘルリツィウスなど世界的なワーグナー歌手が集結。また、バイロイト音楽祭ほかで数々の名舞台を手がけてきた巨匠ハリー・クプファーが新演出を担うことも話題のひとつだ。
舞台神聖祝典劇と名付けられた『パルジファル』は、宗教色、特にキリスト教的作品としての面が強調されるが、これまでベルリン州立歌劇場ほか一流オペラハウスで幾度も本作を手がけてきたクプファーは、作品の中にある仏教的要素も見逃せないと語る。
「ワーグナーは敬虔なキリスト教徒でしたが、生涯を通じて仏教に興味を持ち、仏教という宗教にも取り組んでいました。ワーグナーは本来相容れることのない哲学をミックスして自らの哲学を導くことが出来た人なのです。