くらし情報『世界に誇る日本人メゾのオケ伴ソロが聴きのがせない』

世界に誇る日本人メゾのオケ伴ソロが聴きのがせない

もちろんワーグナーだけでなく、バロックからフランス・オペラ、現代曲、そしてドイツ歌曲まで幅広いレパートリーで活躍。世界中の歌劇場やコンサートホール、音楽祭から引っ張りだこの存在だ。2002年出光音楽賞、2003年第54回芸術選奨文部科学大臣新人賞、2007年第37回エクソンモービル音楽賞洋楽部門奨励賞など受賞多数。2014年紫綬褒章受章。

サントリー音楽賞の受賞対象となった2012年度は、パリ・シャンゼリゼ劇場でのワーグナー《パルジファル》クンドリ役、英国ロイヤル・オペラでの同《神々の黄昏》ヴァルトラウテ役、フィリアホールや紀尾井ホールでのドイツ歌曲リサイタル、いずみホールでのマーラー《大地の歌》(室内合奏版)、バイエルン放送交響楽団来日公演のベートーヴェン《交響曲第9番》のアルト独唱などが高い評価を得た。

受賞コンサートはクリストフ・ウルリヒ・マイヤー指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団によるオーケストラ伴奏。J.S.バッハのカンタータ、ドイツ歌曲、オペラ・アリアと、彼女の活動が凝縮されたプログラムはすべてが聴きどころ。彼女が声を発するときに、その全身から放たれるオーラのような華やかさを感じるよろこびは、会場で直に空間を共有する聴き手だけのものだ。


文:宮本明

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