公開稽古では、早速そのチャレンジを垣間見た。アステアが映画で歌い踊った楽曲「Puttin’ on the Ritz」では、ダンサー全員がオールドスタイルからシアター、ジャズ、ストリートまで様々なスタイルを融合させたダンスを披露。アステアのスタイルをカバーする以上に、パフォーマー全員の高い表現力が求められる内容だ。休憩時間は和やかに過ごしていた出演者たちも、練習に入ると空気は一変、良い緊張感に包まれた。ダンス経験抱負な大澄が、自身で踊り、丁寧に修正部分を示すと、ダンサーたちは細かな部分をチェックしながら、動きを取り入れていく。言葉でではなく、実際に体を動かしてコミュニケーションを取るのが何ともダンサーらしい。一方、歌い手にとっても、この新しいチャレンジは緊張するようだ。自ら取材陣に話しかけたりとリラックスした様子だった中川も、歌とダンスの両方に挑戦するナンバー「Smooth Criminal」の直前、「これはマイケルしか歌えない難しい曲。
それでも自分なりに解読して歌いたい」と、少し硬い表情で語った。自身のライブで難易度の高い楽曲を歌いこなす彼も、より高度な表現を目指し、このステージに臨んでいるのがわかる。