「僕は山形に拾ってもらった。自分のキャリアを甦らせるきっかけをくれたクラブにまだまだ恩返しをしたい」と語る。
第1節を経て、山岸の胸中は勝点獲得のみに支配されていることだろう。ベガルタ仙台とのみちのくダービーは、敗戦に終わった。ひとり少ない仙台を崩し切れず、試合終了間際『J昇格PO』の再現を狙い、山岸はコーナーキック時に相手ゴール前に陣取った。だが、逆にカウンターを食らい、0-2とされた。
一方、浦和は落ち着いてホーム開幕戦を迎える。公式戦3連敗で臨んだ『明治安田J1』湘南ベルマーレ戦で、4か月ぶりとなる勝利を挙げた。
運動量で勝る湘南に対し、ペースを掴めないままPKを献上し、先制点を許した。昨季終盤から続く、負のスパイラルに陥るかと思いきや、5分後にはFW・興梠慎三のヘッドで追いつき、後半はゲームをコントロールした浦和がMF・宇賀神友弥のミドル、DF・那須大亮のヘッディングで試合を決めた。ただ、内容についてはまだまだである。試合後、ペトロヴィッチ監督も「私は前半も後半もあまりいいゲームではなかったように思う」と口にした。勝点を積み重ねながら内容を突き詰めていきたい浦和と、とにかく勝点がほしい山形。