歌舞伎俳優にも私ども舞踊家にも憧れの役である『紅葉狩』の山神を踊れる役者になってもらいたい、という思いで作りました」と語ると、鷹之資は「勘十郎先生がくださったチャンスなので、精一杯頑張ります。金時は活発な役ですから、そう見えるよう元気よく踊りたい」と意気込み、玉太郎も「色々な方の期待に応えたいです。山神は、亡くなった(中村)勘三郎さんや(坂東)三津五郎さんもなさった凄い役。少しでも近づけたらと思います」とうなずいた。
鷹之資15歳、玉太郎14歳と初々しいふたりだが、ともに舞踊への思いは熱い。「昔から踊りは好きでしたが、4年前に父が亡くなり、改めて、もっと努力しなければならないなと思いました。父の踊りも長い年月をかけて完成させたものなので、僕も今の時期に基礎を固め、ゆくゆくは父以上にうまくなれるよう、気を引き締めています。父からはとにかく手を綺麗に、そして目を輝かせて思いきり踊るようにと言われたのをおぼえています」(鷹之資)
「小さい頃からずっとやっていますので、踊りは身近な大切な存在です。
この公演でお客様に、上手になってきていることをお見せできたらと思っております。もちろん、細かい動きや綺麗さも大事なのですが、歌舞伎役者ですので、何よりもやはりその役らしく踊りたい。