高さと足もとの技術を兼ね備えた森重はゴール前に陣取り、武藤も絶妙なポジショニングから決定力を発揮する。昌子&植田の両CBがセットプレー時にFC東京のキーマンを潰し切れるかが勝敗のポイントとなる。
セットプレーだけではない。中盤の攻防も勝負の鍵を握る。FC東京は前線・武藤のハイプレスや最後尾・権田のスーパーセーブの連発など、6試合完封を果たしている。その中で特筆すべきが、米本のボール回収能力である。背番号7は無尽蔵のスタミナとボールホルダーとの駆け引きで、ことごとくボールを奪取する。チーム全員がハードワークを厭わず、組織立ったディフェンスを見せるFC東京にあって、相手の中盤を封じる米本の存在感は大きい。
鹿島としては、逆に中盤を制圧したいところ。柴崎はゲームをコントロールするとともに、チャンスと見ればスルスル上がりゴールに絡む決定的な仕事をこなす。GWには柴崎とボランチを組む小笠原満男が戦線復帰し、調子を取り戻しつつある。今季3ゴールとチーム最多得点をマークする2列目・金崎夢生も出場停止明けで満を持して登場する。FC東京が張り巡らす中盤包囲網を打破するだけのタレントは揃った。
5月10日(日)