という問いをきっかけに、自分なりの答えを求めて日本語の海を“旅”してきた成果をまとめた最初の作品だ。ただし、日本人がずっと大事にしてきた習わしや情緒を折り込みつつ、四季折々の風景を描き出しながら、往年のアメリカン・スタンダードにも通じるポップでエレガントなボーカル・アルバムに仕上がっていることも見逃せない。「アレンジの星勝さんとの音遊びというか、職人同士がお互い楽しみながら作ってる感じというか。例えば和太鼓の音がそのまま鳴ってることはなくて、最低でも4つ以上の音が重なってて、ちょっとアイリッシュな響きになってたり。そういうマニアックな楽しみ方もできる、いろいろな要素が詰め込まれているんだけど、でも軽快なポップ・アルバムに仕上がっていると思います」
同作を携えてのツアーもまた、当然のように見る者の気持ちを軽やかにし、新しい歓びに出会う“旅”へと誘う。谷村新司コンサートツアー2015 NIHON~ハレバレ~、チケットは発売中。
取材・文:兼田達矢
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