G大阪との前節では、智将・ネルシーニョ監督が5バック気味のシステムを敷き、堅守速攻を徹底した。
浦和サポーターにはトラウマもある。浦和は2年連続でシーズン終盤に大失速し、覇権を取り逃した。リーグ優勝とステージ優勝では重みが異なるが、「もしや……」と懐疑な気持ちを捨て切れないサポーターも決して少なくないだろう。
ただ、今季の浦和は昨季までとは違う。第11節では3連敗中だったユアテックスタジアムで仙台相手にド派手な打ち合いを演じ4-4のドローに持ち込んだ。第14節は1分2敗のベストアメニティスタジアムで鳥栖を向こうに回し6-1と今までのうっぷんを晴らした。鬼門と言われたスタジアムで結果を残してきたのだ。
前節は日程の不利を跳ね返した。未消化だった第10節から中3日で試合に臨んだ浦和に対し、17位・清水は中7日のアドバンテージがあった。CB・森脇良太を負傷で欠き、ボランチ・柏木陽介や左サイド・宇賀神友弥も疲労が溜まりギリギリの状況だったが、FW・興梠慎三が落ち着きと技術を結集した決勝ゴールを守り切った。チームも第9節以来となる完封を果たした。試合後、ペトロヴィッチ監督は「いい内容ながら勝てなかった昨年の経験を生かしている。