何かを成し遂げたグループの、その栄光の裏にある光と影…というものは、作品の題材としてはありふれているかもしれない。とはいえ、マフィアとの関係性まで描いているのはなかなか衝撃的。そしてメンバー間の確執も赤裸々に語られていく。金銭トラブル、メンバー間の格差。プライベートも不幸が続く。だがそれをことさらドラマチックに仕立てあげず、むしろ淡々と綴っていくところがリアル。他の作品と一線を画す“真実の力”こそが、世界中で大きな感動を呼んでいる理由なのだろう。
彼らを取り巻くドラマが淡々と綴られていく反面、ザ・フォー・シーズンズのライブシーンはまばゆい。
どんなに問題が起こっても、音楽は常に彼らにとって光だった、それもまた真実なのだろう。『シェリー』『恋はヤセがまん』『恋のハリキリ・ボーイ』の3連続ヒットの場面はライブ会場のような盛り上がりだったし、『君の瞳に恋してる』にいたっては前奏の数フレーズが鳴った時点で、待ってましたとばかりの拍手が客席から起こった。初日公演は往年のザ・フォー・シーズンズのファンらしき年配の客から、若い女性まで、幅広い年齢層の観客でにぎわっていたが、誰もが終演後、客席の明かりが点いた後も名残惜しそうに舞台に拍手を送り続けていた。公演は7月5日(日)まで同劇場にて。チケットは発売中。
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