舞羽美海が『ドリアン・グレイの肖像』で新境地に挑む
と意気込む。
舞台上に普段の自分が表れるとする彼女の考え方は、美と若さを保つドリアンの老いや醜さを肖像画が映し出すという本作の世界観に通じるかもしれない。「そうですよね。嘘をどれだけ本当にできるのかといったことも、この作品のテーマ。まず中山さんは、肖像画から出て来たように美しい方なので、それだけでこの作品の世界観の象徴のような存在。そんな中山さんとどんなキャッチボールができるか、私自身、楽しみにしています。オスカー・ワイルド特有の耽美な世界を感じつつ、舞台ならではのリアルさもあるものに仕上がるのではないでしょうか」。
ドリアンは、『ロミオとジュリエット』のジュリエットを演じるシビルを観てひと目惚れする。
既に宝塚歌劇団時代、ミュージカル版『ロミオとジュリエット』で同役は経験済み。「ミュージカル版では言葉も現代的でしたし、歌で感情表現できましたが、シェイクスピアの詩のような台詞をストレートプレイで表現するのは難しい」としながらも「シェイクスピアといえばお芝居の基本ですから、勉強し直すつもりで今、じっくりと読んでいます。女優として再スタートしたいんです」とする表情からは、決意の強さがうかがえた。