SETならではのエンターテインメント満載のタイムトラベルもの
結成36年目を迎えた劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)の最新作『虹を渡る男たち』は、タイムトラベルを題材とした作品。ミュージカル・アクション・コメディーを標榜するSETのこと、もちろんそこには、思わず笑ってしまう仕掛けと、エンターテインメントの要素が満載だ。初日を控えてまさに佳境を迎えた稽古場では、座長の三宅裕司を中心に、劇団員たちがより精度の高い芝居と笑いを追求していた。
公演チケット情報
『虹を渡る男たち』で描くテーマは、ズバリ、“男の友情”である。舞台は日本の芸能界。ライバルとしてお互いに切磋琢磨したヒットメーカーでありながら、今は芸能界から姿を消してしまった長本と熊崎というふたりの男を、三宅と小倉久寛が演じる。稽古は、熊崎が芸能界から去ることになった原因を阻止しようと、過去へタイムトラベルしたシーンから始まった。その原因とは、熊崎がプロデュースしたアイドルグループ“サンデー娘”のメインボーカルがデビューする日に失踪したことだったのだが、失踪の原因を食い止めようというわけだ。
そして、ここで早速、SETらしさが噴出する。止めようと必死になるほど失言を連発して、結果、何をやっても原因を止められず、何度もタイムトラベルを繰り返す羽目になるのである。