が狂言回し的な立場で暗躍している。それぞれが主人公になり得る本作は、観客一人ひとりの世代や性別、立場によって捉え方も変わるはず。コミカルな演技で笑いを誘いつつ、締めるときは心をグッと鷲づかみに。さまざまな目線で見られることもあり、いろんなタイミングですすり泣きの音が響いてくる。そして、クライマックスで流れるTUBEの優しいラブソングが物語にナチュラルに溶け込み、クリスマスにぴったりの心温まる世界観に仕上がっている。いち早く、大音量で聴けるのもファンにはたまらないだろう。
ベテランの西川浩幸から今作で初舞台を踏んだ新人3人まで、15人全員の熱いエネルギーがステージにあふれる。思うようにはいかない人生。
それでも前を見て進んでいけばきっといいことがあるはずと、作品を通して背中を押してくれるのだ。また今作では、30周年の最後を飾る作品だけに、これまで応援してきたファンをニンマリさせる仕掛けも随所に散りばめられている。舞台装置の転換でそれが現れたときには、「わぁ~!」という驚きの声も漏れていた。そしてTUBEからは「今回のテーマソングを作るために舞台のプロットを読ませていただき、そのイメージをもとに楽曲を書き下ろしました。