ノゾエ征爾撮影:源 賀津己
塚田僚一(A.B.C-Z)と渡部秀の二人芝居『ボクの穴、彼の穴。』が、5月に東京・PARCO劇場で上演される。その翻案・脚本・演出を担当するノゾエ征爾(はえぎわ)に話を聞いた。
舞台『ボクの穴、彼の穴。』チケット情報
原作はイタリア人童話作家デビッド・カリの絵本。日本では、松尾スズキ初の翻訳絵本として注目を集めた作品だ。「戦争です!」という言葉から始まる物語は、戦場の塹壕に取り残され、穴=シェルターの中でお互いへの恐怖と疑心暗鬼にさいなまれるふたりの兵士の姿を描く。
「戦争は遠いものだと思いがちですが、根っこにあるのは誰もが持っているものです。
今回、現代の若者といえるふたりに集まってもらえたので、“一見遠い戦争”と“現代の若者”の融合によって、現代の設定では表出できない、人間味のようなものを舞台上に立ち上げられたらと思っています」
キャストの何を見るか尋ねると「芝居より人柄」だという。塚田と渡部の印象は『陽』だと答えた。「でも絶対『陽』だけのわけがない。その奥にすごく惹かれています。素とはまた違う、根っこにあるものを役に投影したい。嘘はつかせたくないっていうのはありますね」。