“飛び出した”という前提がありながら、工場への想いや従業員を愛する気持ちが真っ直ぐに伝わるのは、小池の歌唱力の賜物だ。
三浦は、3年前にブロードウェイで観劇して以来の念願だったというローラ役。十数センチのピンヒールで走り回るだけでも大変なことだと思うが、華やかな衣装をまとい、迫力あるドラァグクイーンを生き生きと演じる姿は、まるでそうであるのが当然かのような強さ、そしてどこか切なさも感じさせ、とても魅力的だった。
ブロードウェイのオリジナルスタッフが手掛ける本作。ドラァグクイーンたちによるクラブでのショーや、キンキーブーツの完成に沸く靴工場で全員が歌い踊るシーンなどは本当に華やかで、格別の楽しさを味わえる。同時に、囲み取材で三浦が「『他人を受け入れれば自分が変わる、世界が変わるよ』という大切なメッセージをしっかりお客様に届けることができる素晴らしい作品です」と話した通り、観終えた頃には大切なものを受け取っているはずだ。
10月には、現在アメリカツアー中の『キンキーブーツ』<来日版>も初来日予定。本作と来日版、是非両方楽しんで!ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』は、8月6日(土)