演じるエレオノーラを「天真爛漫ないわゆる“新人類”。自分とは思考回路が異なる役ですね」と言う水。「元宝塚スターに売れない女優の役なんてさせてスミマセン」と頭をかく藤沢には笑いながら、「でもその分、やり甲斐があります。それに私の世代も宝塚音楽学校に入った頃は、上級生から“新人類”って言われてましたし」と水が返すと、今度は藤沢が我が意を得たりとうなずいた。「実は、僕が水さんに託したいのはそこなんです。間違っていようがなんだろうが、“新時代を担う人間の強さ”ってありますよね。その"強さ"が未来を変えてゆく。水さんはいるだけでオーラを感じる方ですし、そういう意味ではエレオノーラ役にピッタリじゃないかと思って」と、配役の意図を語った。
今回の出演を、「藤沢さんの作品を観ていて『あっち(作品)の世界に行きたい』と思っていたので、念願が叶って嬉しい」と話す水。魅力のひとつに「豪華な衣裳と美しいセット」を挙げると、藤沢が「実は演者の動きが少ない朗読劇だからこそ、衣裳は“足が開かない”“動くには重すぎる”などの制約を受けないで済む。それは美術セットも同じで、実用性より美しさを優先できるというメリットがあるんですよ」