くらし情報『キャラメルボックス屈指のサイコサスペンス開幕』

キャラメルボックス屈指のサイコサスペンス開幕

の熾烈な攻防へと巻き込まれてゆく。

そしてもうひとつは、手話を多用した演出だ。波多野の姉・雪絵は耳が聞こえない“ろう”という設定のため、劇中では手話が多用される。観ているうちに気付かされるのが、例えばメールを使用したり、スマホに文字を入力してコミュニケーションをとる、といったように、私たちはハンディキャップを持つ人はもちろん、他者へ「伝えるため」のツールを身近に持つことができているということ。しかし、そんな時代だからこそ「伝わらない」ことのもどかしさ、そしてきちんと「伝えること」、他者を「信じること」ということの大切さがより迫ってくる。

今回の公演では、前回の2008年版から殆どのキャストを一新。ユーリを演じた原田樹里は少年のような声がはまり、ユーリが声優を目指す理由に説得力が増す。そんなユーリが憧れる幸吉役には若手俳優として活躍目覚ましい一色洋平が客演、ユーリとフレッシュなコンビネーションを見せてゆく。
また、波多野はこれまでキャラメルボックスの歴代看板俳優が演じてきた役。そんなプレッシャーの中、鍛治本大樹は抑制のきいた一見“好青年”風の中に、暗い情念と狂気をにじませる新たな波多野像を作り上げた。

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