戦国御伽絵巻『ソロリ』~妖刀村正の巻~
中村誠治郎主演の「戦国御伽絵巻『ソロリ』~妖刀村正の巻~」が、11月2日に開幕した。本作は、川光俊哉による書き下ろしオリジナル時代劇。戦国時代を舞台に、人を殺す「刀」ではなく、それをおさめる「鞘」をつくってきたソロリ党の後継者・高丸(中村誠治郎)が、のちの豊臣秀吉(町田慎吾)と出会い、妖刀による支配や小平(佐藤永典)と戦いながら、泰平の世への道を模索する物語。“戦国御伽絵巻”の名の通り、絵巻の中から登場人物が抜け出てきたかのような演出で幕を開けた。演出は大岩美智子。
戦国御伽絵巻『ソロリ』~妖刀村正の巻~ チケット情報
時代劇の魅力のひとつは殺陣。しかし、本作におけるそれは勝敗をつけるためのものとは違っていた。「人を殺めた者、ソロリを退くべし」という掟があるソロリ党の党首・高丸は、“切り捨て、ねじ伏せ、おさめゆく”のではなく、“おさめ、守り、慈しむ”という信念を持っている。
しかし、それでも戦わなければならないとき、高丸は刀ではなくそれをおさめる鞘を使って相手と戦うのだ。そんな状況で生まれる殺陣は印象的。身体の使い方一つひとつから、高丸の想い、そして相手の想いが滲み出て、多くのものが伝わってくる。