「シベリア抑留」というシリアスなテーマへの観客の構えた心を溶かすような音楽が印象的だが、それを手掛けるのがミュージシャンのユウサミイ。そもそも音楽劇で表現する理由も「サミイさんとの出会いが大きい。サミイさんの音楽のバイブレーションは作品にエネルギーを与えてくれるんです」(望月)という人物だ。
ユウサミイは「僕がこの舞台の音楽監督としてエンターテインメントの部分をまとめあげていくのも使命感に近いものです。この作品で伝えたいことを『重い』と感じてしまう人がいるのは事実。そこを少し届けやすくなるように、ミュージシャンとしてそういった部分にフォーカスしながらやっています」と、本作にかける想いは熱い。ミュージシャンとして活動する自身の楽曲が作品に組み込まれ表現されることには「何度稽古してても、『ここでこの曲のこの部分を持ってきたのか』と驚きます。これは脚本のまき りかの天才性ですね」と笑顔。
今回、望月は本作に初めて出演し、トモキを演じる。望月の芝居は「もうやり放題ですよ(笑)!(Wキャストで演じる)萬立(雄一)がいいので、なんとかしなきゃと思ったんでしょうけど、『そんなセリフ、台本にねえぞ!』って(笑)」