と感激もひとしおだ。
紫吹が演じる三女雪子は、内気で繊細、縁談を断り続けているという役どころ。「私のイメージとは違うかもしれないんですけど(笑)、歴代の雪子さんのイメージを壊さず、私なりの色をつけられたらと思います。どうしても何かやりたくなってしまうので、そこを我慢するのが私の今回の勝負どころかな」と冗談を交えながらも意欲を燃やす。四女妙子は、四姉妹の中で最も現代的で活発な女性。「いちばんいろいろやらかす人物に描かれているので、上演時間の中でそれが説得力を持ってお客様に伝わるように、自分の中できちんと心理的な積み重ねをして演じたいと思います」と、壮も早くも臨戦態勢だ。
こんなにも長く上演されてきたこの作品の魅力に、紫吹は「日本の良さが凝縮されていることと、深い絆で結ばれている姉妹愛」を挙げる。家が傾き戦争が始まりと、苦難が続く中でも、優雅に美しく生きようとする四姉妹の姿は、確かに今だからこそ訴えかけるものも大きそうだ。
「いろんな演劇が生まれる中で変わらずに残っている『細雪』は、ひとつの財産」と壮も言う。顔ぶれが変わることでその伝統に新鮮さも加わるだろう。期待したい。
公演は3月4日(土)