初対面の方もいたのに、早速、座長イジりが始まったので、とても心強いです(笑)。演出のキムラさんとは原作を大切に、映像に頼らないストレートプレイをやりたいというお話をしました。『代表作にする』と言っていただけて嬉しいです」
自身が演じるディミトリについて圧倒的な存在感を出したいと語る。「先生の『それぞれの役についてすべてを書いていない』という言葉通り、見せていない部分を自分なりに作り、舞台ならではのディミトリを見せたいです」
種を残すことで滅んでしまう、けれどそのためだけに生きる「愛」についても考えを明かす。「人間って臆病で傲慢だと思う。知識を得れば得ただけ愛の形は変わると思う。では、ディミトリにとっての愛はなにか?……稽古場で作り上げた答えを見せます」
しかし、そのディミトリは吸血樹という人ならざる存在だ。「……実は、人間こそが人ならざる存在だと思っていて、人の形をしてはいるけれど、その内側は得体が知れない、という思いがあります。
だからこそ、いろいろな姿を届けられる。なので、舞台の上でしか見せられない自分をさらすことになると思います。心を裸にした、ディミトリという役をご覧ください」