中村蒼、美波
芥川賞作家・吉田修一の代表作にして大ベストラー小説『悪人』が、ふたり芝居として新たに立ち上がる。殺人を犯してしまった祐一を演じるのは中村蒼。彼との逃避行を決行する光代に扮するのは美波。2016年に、『乳房』『檀』の2作のふたり芝居を手がけて高い評価を得た合津直枝が台本・演出を務める。ふたりだけで演じる舞台ならではの濃密さで見せる『悪人』は、何を伝えるだろうか。
舞台『悪人』チケット情報
あまり例のないことだが、中村と美波は今回、一度本読みをしてからチラシ撮影に臨んだのだという。芝居の世界観を感じてカメラの前に立ってほしいという合津の希望によるものであり、その成果はしっかりとビジュアルに刻み込まれた。
「祐一と光代はふたりとも孤独で、だからこそ惹かれ合ったんだと思います。
でも、逃亡の果てに捕まっても、祐一は自分ひとりが悪いんだと、最後まで本当のことは明かさない。その祐一の気持ちを思うと、愛すべき人だと思わずにはいられなかったですね」と言うのは中村。美波も「本を読んでいちばんに思ったのは、祐一は悪くないということ」ときっぱり。「だから、祐一と光代を見ているととてもつらくなるんですけど。