小柳奈穂子先生が漫画のエッセンスをうまく盛り込んでくださっています」と話す。カイルとしてはユーリへの真っすぐな愛と、平和な治世を目指すところを大切にしたいという。「少女漫画の憧れの存在でいられるように表現できたら。前回の『WEST SIDE STORY』とはビジュアル、演じ方もまったく違うので、漫画とのバランスを考えながら創っていきたいです」。腕の中にすっぽりとユーリを包み込む、そんな原作に違わぬカイルを包容力溢れる演技で魅せるだろう。
新トップ娘役・星風(ほしかぜ)まどかとも、「『100回の稽古より1回の舞台』と言いますが、『WEST-』で培われたものは大きいです」と、ひと公演ごとに絆が深まるのを感じたという。
『シトラスの風-Sunrise-』は、岡田敬二のロマンチック・レビュー・シリーズ第20弾。宙組誕生時に初演、その後も再演されてきた『シトラスの風』の新バージョンだ。
「私は全国ツアーで1度出演しましたが、『明日へのエナジー』の場面で胸にくるものがありました」と微笑む。ゴスペル調の曲にのせて力強く歌い踊るこのシーンは今回も外せない名場面。「今はコーラスの力を真ん中でじかに感じます。