だから地獄にも優しさや親しみを感じるんです。皆さん、地獄に行きたいとは思わないと思いますが、地獄の絵を見つめることで、今自分がどういう状況にあるのか理解できるんです。ですから、一緒にご覧になる方と絵を見た後で色々な話をして、楽しんでください」と語った。
内覧会では3年の歳月をかけて完成させた、平成の地獄絵とも言うべき5点の「地獄心音図」の前でギャラリートークが行われた。中島は、「東日本大震災が起こった後、苦しんでいる人をさらに苦しめる人がいることに腹が立ったんです。そこで「悪いことをすればお天道様が見ていますよ」という母親の言葉がよみがえってきたんです。悪いことをすれば、ただじゃすまない、それが地獄絵を描くきっかけでした」と話していた。その後5点の絵に描かれている8つの地獄について「これは右の絵からどんどんひどくなって、最後は蟻地獄、無限地獄です。
でもそこには菩薩が描かれているんです。悪いことをしても反省して心を入れ替えれば救われるんです。地獄の絵を見てぜひ自分自身を見つめ直していただきたいです」と語った。本展覧会では、「地獄心音図」を含む連作「心音図」以外にも、初期の作品や「新しい風」