轟悠、恩師への想いを込めて名作『凱旋門』再演に臨む
轟悠撮影:三上 富之
宝塚歌劇団雪組にて、18年ぶりにミュージカル・プレイ『凱旋門』が再演される。ドイツから亡命してきた外科医のラヴィック役で主演するのは、専科の男役スター、轟悠。2000年の初演でも雪組トップスターとして同役を演じた轟は、「18年の間に色んな役に挑戦させていただいたことで、リアルな感情をより幅広く表現することができるようになったと思います。気負いなく新たなラヴィック像を作り上げたいです」と語る。
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本作はエリッヒ・マリア・レマルクの小説が原作。第2次世界大戦前夜のパリを舞台に、ラヴィックとジョアンの鮮烈な恋や、祖国を追われながら懸命に生きる人々の姿が描かれる。「初演時は宝塚らしくない作品とも言われ、『命の尊さや愛、友情などのテーマを、うまく表現できていないのかな』と自問自答することもありました」と打ち明ける。
轟はこの作品で、文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞。
「素晴らしい作品に出会えたと、舞台生活の中で誇らしく思います」。内外から再演の要望はあったが、「自分で望んだことは一度もなく、(再演の報には)驚きました。初演の映像は立ち稽古前に一回観ただけですが、その時も『ここで息を吸う?』など自分にダメ出しをしていました(苦笑)。