国際的に活躍する梅田宏明が、独自メソッドによるダンス3作を披露
まずは力を抜くことから始め、次に踵での床の立ち方、そして骨盤、胸……と力のかけ方を訓練していくんです。2009年以降、色々な国や身体の人に使い、非常に有効だと感じてきました。『1.centrifugal』はこのメソッドの“基本編”です。これに対して新作は、跳ねるような動きなど色々な質感を加えながら、音楽を奏でるように動く“発展編”。ダンサーには、自分を人間だと思わないでほしいと言っています。社会生活で培った人間的な動きを排除し、マテリアルとして動いてもらいたい。個性を押し出すのではなく、抑えたところからにじみ出るものを拾いたいからです」
上記2作には出演しない梅田を観ることができるのは、ソロ『Intensional Particle』だ。目がくらむような音と映像の洪水の中、切れ味鋭い驚異的な梅田の動きが展開する。
「将来的に僕は、身体を越えたところで振付を扱えないかと考えているのですが、そのプロセスとして、踊りと映像を極めて近い存在として振り付けていこうというコンセプトで創りました。映像には自然な力の流れみたいなものを表したかったので、よく物理などで使われる、力を表現する数式を使ってグラフィックを描いたり、センサーを使って僕の筋肉の動きをデータにし、映像に反映させたりもしています」