「ゴツプロ」が稽古場でみせた熱い芝居そして圧巻の阿波踊り!
「因縁」「諦め」「妬み」「暴力」「つぐない」「背負わせること」「託すこと」そして「生きること」……きれいごとで済まないさまざまなものを、ひとつではなくさまざまな角度から描く。勧善懲悪とはまた違う“あるもの”は“あるもの”として包み込む視点が印象的で、そこにグイッと引き込む力強さと空気の揺れまで伝える繊細さを持った芝居は熱く、ひたひたと空間を浸していくようにクライマックスの阿波踊りに向かって進んでいく。劇中に何度も出てくる「♪何もかんも忘れて踊ろじゃないか えらいこっちゃ、えらいこっちゃヨイヨイヨイヨイ 踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊らにゃソンソン」という節はどんどん意味を持っていき、観ているとさまざまな感情を引き出された。
大きな見どころとなる阿波踊りのシーンでは、東京公演では吹鼓連(すいこれん)、大阪公演では大阪天水連(てんすいれん)が参加。稽古場で見たキャスト陣だけの踊りも迫力があり胸を打たれたが、さらに踊り手が加わった光景は壮観なはず!開幕を楽しみに待ちたい。台湾の烏梅劇院(ウーメイシアター)と本多劇場グループが姉妹劇場の関係を結び、その活動の一環として台湾の技術スタッフも参加している本作。